WOB-L® ピストンコンプレッサーとポンプの動作原理

揺動ピストン(WOB-L®)ポンプの動作の仕組み

ピストンポンプは往復ポンプの一種で、モーターの回転運動をピストンの直線運動に変換します。モーターシャフトはピストンロッドの中心から偏心された位置に固定されます。これにより偏心された距離分、ピストンはシリンダー内を上下動します。ピストン上部には円盤状の部品で固定されたピストンシールが配置されます。ロッドアセンブリーが回転すると、ピストンの先端が揺動しますがピストンシールによって揺動を抑制します。また、ピストンが下から上に移動する際、シリンダー内の負荷圧力によって、ピストンシールがシリンダー壁面に押し当てられるため、シリンダー内の密閉度が向上します。シリンダー内壁表面はコーティングが施されており、また、シリンダーは放熱のため断面は薄く設計されています。これにより、ピストンシールは摩耗が少なく、WOB-Lピストンポンプはオイルレスを実現しました。

WOB Lピストンポンプ技術 動作原理

ピストンが上下する際、上向きのストローク時の空気抵抗により、ピストン上のディスクのシールがシリンダー壁面に対して拡大するため、効率性が向上し、しかも「ウォブリング(揺動)」を補正します。

WOB-L® とはどういう意味ですか? WOB-L® の商標の由来は何ですか?

WOB-L® ピストンポンプテクノロジーは動作の原理がその起源です。当社のウォブリングピストンポンプでは、クランクシャフトの回転に応じてピストンロッドがシリンダー内部で「ウォブリング(揺動)」します。 

WOB-L® の商標では40年以上前にトーマスの技術者が特許を取得しました。技術者たちは、その時点で市販されていた他の設計とは全く異なるピストンコンプレッサーを開発しました。それは今でもコンプレッサーテクノロジーの分野で重要な技術革新と見なされています。


従来のピストンポンプとWOB-L® ピストンポンプの違いは何ですか?

従来のピストンポンプと異なり、WOB-L®にはピストンロッドとピストンを接続するガジオンピン(リストピンとも呼ばれる)がありません。ピンは使用せず、ピストンとピストンロッドは単一のアイテムで、通常は一体成型されています。 


ピストンポンプはどの分野で使用されていますか?

オイルレスピストンポンプは医療、自動車、飲料業界で非常に多く利用されています。 


ピストンコンプレッサーとポンプを使用する主な利点は何ですか?

加圧負荷または真空負荷のある場合の流量は、一般的にダイアフラムポンプより優れています。無負荷時流量が同じダイアフラムポンプとWOB-L® ピストンポンプで負荷圧力や真空負荷が同じ場合で流量を比較した場合、WOB-L® ピストンポンプがより多くの流量が得られます。ポンプが装置に組み込まれて使用される場合、大抵、ポンプには負荷圧力がかかり、その負荷圧力時の流量が重視されます。つまり、WOB-Lピストンポンプは、負荷圧時の流量が多くとれる事から、ダイアフラムポンプよりも小型のサイズで対応可能です。また、WOB-L® ピストンポンプはメンテナンスフリーで長時間、安定した性能を維持します。


WOB-L® ピストンポンプの主な利点は何ですか?

  • 高負荷、高真空対応。構成部品が少なく、耐久性が高い
  • メンテナンスフリーのオイルレス仕様
  • 高流量モデルは軽量アルミダイキャスト採用。小型モデルは耐摩耗性プラスチックを採用
  • 多段モデルは高真空、または高負荷に対応。
  • 長年の実績による低振動デザイン
  • アルミダイキャストモデルの接ガス部は耐食コーティング処理
  • 長寿命、高性能を可能とする高性能ピストンシール、放熱効果の高い薄型シリンダーを採用。
  • 無給油ベアリング
  • 最大流量:7.1cfm(200 L/分)、最大圧力:160psi(11気圧)、最大真空度:29.1インチ水銀柱(-990ミリバール)

トーマスのWOB-L® ピストンポンプ及びコンプレッサー